この章ではポインタについての具体例と配列のアドレスについて説明します。
以下の例は変数のアドレスを関数に渡し、ポインタ変数で受け取っている例です。 tashizan関数の中では*aと5を足して*aに代入し、*bと5を足して*bに代入しています。
*aには変数xのアドレスが入っているので、*aとxは同じ意味になります。
*bには変数yのアドレスが入っているので、*bとyは同じ意味になります。
次の例では配列のアドレスとポインタについて説明します。初めに配列のアドレスを取得する方法について説明します。 つまり、配列名を書くだけで配列xの一番前のアドレスが取得できます。
配列自体のアドレスは配列の先頭アドレスを指すということです。
xが先頭のアドレスを示すので、「+1」を付け加えることで先頭から一つアドレスを進めると言う意味になります。
これはと同じ意味になります。
は前から2番目のアドレスを意味します。
では前から3番目のアドレスを得るためにはどうしたらいいでしょうか?
結果は以下のようにもしくはと書いてください。 次に配列の要素をポインタで取り出す方法について説明します。 =>*(x+0)と書くと配列の先頭要素を取り出すことが出来ます。 「数値」に添え字を書きますとその添え字に相当する要素を取得できます。
「*(x+0)」は「*x」と同じですので、以下のようにも書くことができます。 つまり、「*配列名」と書いても配列の0番目の要素を取得できます。
配列の前から2番目の要素を取得するにはと書きます。
配列の前から3番目の要素を取得するにはと書きます。
結果は以下の通りです。
次の例ではポインタの加算を使った値の書き換え方法について説明します。 hairetsu(x);の箇所で配列xのアドレスをhairetsu関数のポインタ変数であるに渡しています。
そして、*(g+0)=34;の箇所で配列の一番前の要素に34を代入して、
*(g+1)=46;の箇所で配列の前から二番目の要素に46を代入して、
*(g+2)=98;の箇所で配列の前から三番目の要素に98を代入しています。 hairetsu関数内で書き換えた結果、main関数の配列xの要素である「1,2,3」が「34,46,98」に書き換えられます。
先ほどの例をfor文を使って書き換えると以下のようになります。
次はポインタに関する演算について説明します。この例ではポインタ*gに配列xのアドレスを入れています。 gにはxの先頭要素のアドレスが入っているので、「*」を付けることで1番前の要素の値を得ることができます。
結果は4です。 g++;(加算子)とありますが、これはポインタを1つ先に進めると言う意味です。
つまり、ポインタに加算子を使っているわけです。
最初のg++;でポインタを進めた後にと出力すると、前から2番目の要素の値である6を得ることが出来ます。
さらに2つ目のg++;でポインタを進めると8が得られます。
では次の例に進みます。 これまでは配列のアドレスを関数本体の仮引数に渡す時、ポインタで受け取っていましたが、今度は他の方法で配列を関数に渡します。
hairetsu(x);のように配列のアドレスを渡すまでは同じですが、関数本体のほうはのように配列で受け取っています。
そして要素の数(3)だけ繰り返しループして、の結果をg配列に代入しています。
つまりg[i]のiに0から2までが代入され、その都度の計算結果が代入されることになります。 配列xと配列gはまったく同じなので(xもgも同じアドレスを示しています)、この例の結果はになります。
では次の例に進みます。仮引数にポインタを指定した場合、これまでは のように代入していましたが、実はこのような難しい表現を使わなくても、のようにポインタにを付けて値を代入することもできます。
g[i]のiに0から2までが代入され、その都度の計算結果を代入します。 結果は「6と6と6」です。
次は文字列を扱う配列とポインタの関係について説明します。 配列の章で学習しましたが、文字列を配列で扱う時には型をcharにして、のように書きます。
この配列をポインタを使って書き換えると以下のように書くことが出来ます。 このようにchar型のポインタに文字列を入れることができます。
では次の例に進みます。 関数の引数にポインタを使用している場合に、引数の値を変更したくない時があります。
そのような時にconstを仮引数の前に指定します。
関数の引数に const を指定すると、その関数の中では値を書き換えることができなくなります。
ですので、のような記述はできませんので、この例はエラーになります。
次の例は2次元配列とポインタの関係について説明します。 複数の文字列を配列に入れるには配列のポインタを使用します。
基本構文は以下の通りです。 配列のポインタを出力する方法は普通の配列と同じように添え字を使って出力します。