この章ではクラスの継承について説明します。
クラスの継承とは親クラス(元のクラス)の他に、もう1つの関連したクラスを作ろうとした時に、親クラスのフィールド変数やメソッドを引き継ぐことを言います。
もう1つの関連したクラスのことを子クラスもしくはサブクラスと言います。
親クラスと同じフィールド変数やメソッドを子クラスで定義しなくてはいけない時、同じフィールド変数やメソッドを子クラスで再度記述する必要はありません。
また、子クラスには独自のフィールド変数やメソッドも追加することもできます。
では例を見てみましょう。
SecuritiesクラスはBanksystemクラスを継承しているので、Banksystemクラスのフィールド変数やメソッドを使用することが出来ます。
改めて親クラスのメソッドやフィールドを子クラスで書く必要はありませんが、この例では1つだけ親クラスと共通のメソッドを書いています。それはresultメソッドです。
つまり、メソッド名は変えずに、子クラス独自の内容に変えることが出来ます。
これをオーバーライドと言います。
親クラスでprivateが付いているフィールド変数やメソッドは子クラスからはアクセスすることはできません。
例の親クラスのフィールド変数を以下のようにprivateに書き換えると子クラスのメソッドから使用することは出来なくなります。
protectedは子クラスから親クラスにアクセスできることを意味します。
Mainメソッド内で子クラスのオブジェクトを作成し、ここで親クラスや子クラスのフィールド変数にデータを入れています。
親クラスの引数の無いコンストラクタが呼ばれた後に子クラスのコンストラクタが呼ばれることになります。
この例の場合にはコンストラクタの中でさらにsetfieldメソッドを呼び出して値のチェックをしています。
このような書き方も出来ますので覚えておいてください。
方法は2つありますが、1つ目はこの例のように親クラスに引数の無いコンストラクタを作っておくことです。
2つ目は子クラスのコンストラクタの中で親クラスの引数のあるコンストラクタを呼び出す方法です。
baseの中にある引数は親クラスの引数のあるコンストラクタに渡しますが、ここの引数には型名を入れる必要はありません。
では先ほどの例を2つ目の方法で書き換えてみましょう。
そしてs, fが子クラスのsetfieldメソッドの引数に代入されることになります。
図にすると以下のようにデータが入ります。